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GI-6b 7MHz 200Wリニアアンプの製作

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2006.1.9

材料が手に入りやすかったコイル周りから作り始めました。

コイルのインダクタンスLは以下の式で求められるようです。

インダクタンスL(H)
真空の透磁率u0(H/m)=4πx10-7(H/m)…空気もほぼ同じ
巻数N
コイルの直径d(m)
コイルの長さl(m)
※線の太さは関係ありません

磁束の漏れがあったりして理論どおりには行かないことが多いので、
実際巻いて測ってみるのが一番です。


・プレートチョーク(RFC)
まずはプレートチョークコイルからです。長いものが欲しかったのですがφ0.3mm、10mのエナメル線しか売っていなかったため、とりあえず10mで巻いてみてLを測定してみることにしました。エナメル線はφ30mmの木の棒に密巻しています。
測定周波数は500kHzです。(高周波をカットするためのコイルなので当たり前ですが、7MHzだとインピーダンスが高すぎて測れないため周波数を下げています)
⇒本当はHIOKI 3535の測定範囲は300KΩまでなので測れます(1k,10k,100kレンジがある)。が、手元にある3535は試作品のためか1kΩレンジしかなく測れなかったようですorz。
測定値は184.4uH。真空管の出力インピーダンスは4.6kΩ程度を見込んでいますので、これではL(リアクタンスXL)が足りません。出力インピーダンスの最低でも3~10倍程度のリアクタンスが得られるようにしないと高圧電源にかなりの高周波が漏れてしまうことになります。


これでは出力インピーダンスの2倍に満たないので、最低でもこの2倍はコイルを巻く必要があります。余裕を見て3倍(30m)のエナメル線が欲しいのですが、すぐには手に入らないので未完成ですが今回はこのまま放置します。





・出力タンクコイル
φ1.2mmの銅線を買ってきて500mlペットボトルにてきと~に巻いてみました。
…が、ばねの様に伸び伸びでコイルが安定しません。これでは長すぎるし、間隔が一定じゃないし、柔らかくてふにゃふにゃだし…試作1号失敗。
2号は銅線が柔らかいのがいけないんだろうと思い、ハンドドリルを使って銅線をねじって加工硬化させてから挑戦してみましたが、無駄に剛性が付いてコイルが暴れる暴れる…余計ひどくなりました(泣)




3号は、はし本さんにアドバイスをいただき木の棒に等間隔で穴を開けたものを用意し、それにコイルを通して固定しました。次はなかなか良い感じ。穴の間隔は5mmです。
測定周波数はとりあえず100kHz、Lは16.58uHでした。



3号でほぼ形が決まりましたが、実際に欲しいインダクタンスは7.5uHと約半分ほどなので長さの短いものを巻きなおしました。直径70mm、間隔5mm、10.5巻き。



100kHz

7MHz

左は測定周波数100kHz、右は実際に使用する7MHzです。Lは測定周波数に関係なく7.5uH程度を示しています。目標どおり!しかし抵抗Rは7MHzでは若干高くなっています。これが表皮効果というものなんでしょうか?

何回も失敗しましたが、何とか出力タンクコイルは完成。実際に筐体に組み込めば特性が変わったりするはずなので調整は必要だと思いますがとりあえずこれでOKでしょう。
※木材がコイルの発熱で燃えないかだけはちょっと心配です。
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2006.1.15

・プレートチョーク(RFC)…再び
どうやら10mより長いエナメル線は一般には手に入らないようなので、10mものを3本圧着スリーブを用いて接続してみました。3本目はメーカーが違うので色が違います。


プレートチョーク試作 長さ150mm

測定周波数200kHz 672.5uH

測定周波数200kHzにて672.5uHという値が出ました。
本当は7MHzで測りたいのですが、訳あって1kΩレンジしかないためZが1kΩ未満になるように周波数を設定しました。

672.5uHによって得られるリアクタンスを計算してみると、


真空管の出力インピーダンス4.6kΩに比べて6.4倍と、そこそこ大きい値となっていますので、巻数、長さはこれで決定したいと思います。試作ではセロテープでいい加減に固定していますので、耐熱性のある接着剤(エポキシ系?)を探してみようと思います。
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2006.1.17

・真空管ソケット(その1)
真空管ソケットを作り始めました。材料は板厚0.5mmの銅板です。もっと厚手のものと、薄手のりん青銅で作ったほうがきれいに出来そうですが、材料と手間の削減で1つの材料で作ることにしました。

まずはヒーター周り。手持ちでは一番太いφ6mmのドリルで穴を開け、金切バサミで切れ目を入れてラジペンでひたすら剥きます。スペーサ用の穴はφ4mm。φ3mmだと工作精度が悪すぎて穴が合わないです。下のスペーサは12mm(たまたま手に入っただけ)、上は20mmを使用しています。

まったくいい仕事をしていないのでかなり見栄えが悪い。接触不良無くちゃんと動作してくれればいいのですが(^^;



とりあえず、はめてみたところです。

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2006.4.19

マッチング回路
やっとマッチング回路の部品がそろいました。田舎に住んでいると部品調達が一苦労です。とりあえず特性をLCRメータで測ってみました。

プレートマッチング
固定コンデンサ 51.11pF

最低 5.424pF 、 最高 29.79pF

固定コンデンサとバリコンを並列に入れます。真空管の出力容量5pFを考慮すると、調整範囲は61.5pF~85.9pFですから、目標の74pFに対して十分調整範囲に入っているといえます。




ロードマッチング
固定コンデンサ 524.6pF

最低 5.554pF 、 最高 97.18pF


固定コンデンサとバリコンを並列に入れると調整範囲は530.1pF~621.8pFですから、目標の549pFに対して調整範囲に入っているもののかなり抜き気味で使用しないといけなそうです。固定コンデンサの容量が表示値より大きめなのが原因です。どうしてもマッチングがとれなかったり調整がクリティカルだったらまた考えようと思います。



この前巻いたコイルとあわせて使います。


それにしてもコンデンサが高い!高周波用のコンデンサメーカが廃業してしまったらしく手に入る50pFのコンデンサが非常に高価でした(オーバースペックですがしょうがない)。3.5kV 30pFのバリコンよりも高かったです・・・orz
3.5kV 30pF VC 2940円
500V 100pF VC 630円
7.5kV 50pF 3570円
3kV 500pF 1470円
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2008.8.17

マッチング回路(再)
ちゃんと設計をしなおしたところ、出力インピーダンスが5342Ωと当初予測よりも増加しそうなことがわかりましたので出力マッチング回路を更新しました。といってもエクセルに打ち直すだけですが。





マッチングに必要な乗数ですが、当初に比べLが増加、C1・C2が減少しました。その結果Lは巻き直し決定、C1・C2は固定コンデンサまたはバリコンを変える必要が出てきました。特にC2は478pFと、使用予定だった固定コンデンサ524.6pFを下回ってしまったため容量の小さいものに変えないといけません。C1の64pFはバリコンをほとんど抜ききればギリギリいけそうですがちょっと微妙な感じ。またいつか買い出しに行かなくては…。


…と思いましたが、パラメータのにQという欄があるのに気付いていじってみたところ結構値が変わるではありませんか(今までの設計がいかにいい加減であったか…)。



今ある部品で済ましてしまう計算例(Q=17.75)



Qを計算できる限界まで減らした計算例(Q=10.70)


というわけでQさえこだわらなければ、わりと手元にある部品乗数でいけそうなことが分かりました。やはり実用を考えるとQが低い(マッチングがブロードな)ほうが使いやすいと思いますので可能な限り低Qで設計した方がよさそうです。Q=10.70の例ですと20pF 2kV耐圧くらいの固定コンデンサを入手できればあとは手持ちの部品でいけます!

C1の部品耐圧は以下の式で計算しました。
V=√{P(out)・Z(out)}=√(206.4W * 5342Ω) = 1050V
安全率2として2kV耐圧以上が必要。念のため3.5kV耐圧のバリコンを用意しています。

なおアンテナ側にあるC2は低耐圧のもので構いません。
V=√(206.4W * 50Ω) = 102V
安全率2として200V耐圧もあれば十分。念のため500V耐圧のバリコンを用意しています。




Q=10.70にあわせてLを巻き直しました。ちょうど試作3号が16uHと多目だったのでちょっと巻き数を減らしただけ。あとは適当に木工して足を取り付けました。足はφ30mmの丸棒を使用しましたがドリルで360°穴をあけまくって切断しました。かなり邪道(^^;


測定周波数7MHz 11.64uH
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2008.8.26

・真空管ソケット(その2)
その1があまりにもしょぼかったので作り直し。今度はガラエポ基板を基盤にして、つめ(電極接点)を0.5mm厚の銅板にします。糸鋸で適当に切ったのであまりきれいではないですが平面度は確保。

パーツ


とりあえず組んでみたところ。


横から。くわえているのは衝動買いしたミニバイス、1300円也。



とりあえずはめてみようとしたら大きい方の穴が若干小さくはまらなかったのでまた今度広げなおす必要があります。つめ装着はそれから。まだソケット全体像が固まっていないのでケースと相談しながら設計を進めたいと思います。スペーサは耐熱性のあるのにしないとダメかも?
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2008.11.4

・バイアス回路
はし本さんの回路をまねしてバイアス回路の作成。というかまるパクリです(^^;

-15V程度の逆バイアスがほしいので、定電流源からバイアス電流に相当する160mAを流したときに±間電圧が15V程度になるようにVRをまわします。ここでは4.5kΩ程度の値でちょうどよかったです。

※-15Vとはアノードに対するグリッド電圧なので、今回のようにグリッドを接地する場合はアノードが+15VになればOKです。バイアス回路というと能動的にバイアス電流を与えるようなイメージを受けますが、実際にはこのように負の電圧をかけないとバイアス電流が流れすぎてしまうため上記のような負荷を接続して制限をしているという感じです。







電流-電圧特性。低電流付近の立ち上がりが若干悪いですがとりあえずこれで試してみよう。300mAを超えると発熱がすごく、常時流しっぱなしにすると電圧降下がすごい。やはりちゃんとした放熱板つけないとだめそう。

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