Qマッチ   「TOP」
アンテナのスタック法




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4つのアンテナをスタックする(4列 or 4段 or 2列2段)

2スタックでは物足りなくなってしまった方、4スタックに挑戦してみませんか?
V、UHF屋さんは2列2段くらいが標準のようですが、私は横4列が好きです。
コンテスト屋さんは半値角を広くとれる縦4段なんかがベストだと思いますが、
いかがでしょうか?


4スタックの例
Qマッチによるアンテナスタック法
1.アンテナとTコネクタを適当な長さの50Ω系同軸(8D-FBなど)で接続します。
  4つのアンテナ間に位相差を持たせないときは、4本とも同じ長さで統一してください。
2.次にTコネクタ(点)とTコネクタ(点)を長さ1/4λ'の50Ω系同軸(8D-FBなど)
  で接続します。
3.最後にTコネクタ(点)とRIG間は適当な長さの50Ω系同軸(8D-FBなど)でつなげば
  完成です。

1/4λ'の部分ですが、短すぎてスタックできないときは3/4λ'と、長さを3倍にしても
マッチングが取れます。


※ここでは真空中の波長λに短縮率をかけたものをλ'としています。同軸トラップの項参照。

短縮率はケーブルの種類により異なるので注意が必要です。一般に5D-2Vは0.67くらいです。


Qマッチとは Quarter Matchのことで、1/4λ'の伝送路(同軸)でマッチングを取ることから来ています。



動作の解説

アンテナ側からRIGの方へ向かってインピーダンスの変化を追っていきます。
(左右対称なので、左側のみ見ていきます。右のみでも同じですけど)

まず、点のインピーダンスは50Ωの負荷(アンテナ)に50Ω系の同軸をつないでいるので
長さによってインピーダンスは変わらず、全てに50Ωとなります。

点のインピーダンスは、点のインピーダンスが2つ並列に入ったものなので、
50Ω / 2 = 25Ωとなります。




間のインピーダンスの変化
まず点のインピーダンスZ(25Ω)を同軸ケーブルの特性インピーダンスZ0(50Ω)で
割って正規化インピーダンスzを求めます。
                         z = Z / Z0 = 25Ω / 50Ω = 0.5

z=0.5をスミスチャート上にプロットし、zを時計回りに180°回転させた
位置が点の正規化インピーダンスz’になります。(インピーダンスは同軸長
1/4λ'で半周、1/2λ'でチャート上を一周します。)



スミスチャートより、点の正規化インピーダンスz’=2.0、これに同軸の
特性インピーダンスZ0 = 50ΩをかけるとインピーダンスZ'が求まります。
                         Z' = z' ・ Z0 = 2.0 x 50Ω = 100Ω

点が100Ωであることが分かりました。これは、等価的に中央のTコネクタ
に100Ωのインピーダンスが並列に入っているのと同じことです。

よって点のインピーダンスは、100Ω / 2 = 50Ωとなります。



こうして、点のインピーダンスはぴったり50Ωとなり、SWR=1.0で
完璧にマッチングが取れました。めでたしめでたし。




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